ある日、飼い猫の様子がおかしいことに気づきました。
片目だけから、涙が溢れていて、なんだか泣きはらしたかのように、目の周りの色も茶色っぽくなっているのです。
ネットで調べてみると、流涙症(りゅうるいしょう)という症状に、似ています。
早速かかりつけの動物病院に連れて行き、先生に診てもらいました。
体験談として記していきます。
同様の症状かな?と思う方のご参考になれば幸いです。
猫の片目だけ涙が止まらない!そんな場合の対処法は?
上に書いたような、猫の片目だけ涙が止まらない場合は、大きな括りでいえば「流涙症(りゅうるいしょう)」ということになります。
この流涙症というのは、病気の名前ではなく、症状の名前なんですね。
その名のとおり、ウチの子の左側の目からは涙が出続けているようで、ティッシュで拭き取ってもまたジワリと涙が出てきてしまいます。
流涙症について、ネットで調べてみると、様々な原因があることがわかりました。
ですが、いずれにしても素人判断は良くないだろうと考えました。
可愛い愛猫のことです。
仕事の合間を縫って時間を作り、かかりつけの動物病院の先生に診てもらうことにしました。
猫の片目から涙が止まらない病気とは?
猫の片目から涙が止まらない病気、には下記のように色々あります。
【猫の片目から涙が止まらない病気】
・(狭い意味での)流涙症(涙やけ)
・結膜炎
・角膜炎
・猫風邪
・眼瞼炎
・副鼻腔炎
・網膜変性症
といった病気です。
これらの猫の病気について、解説します。
□(狭い意味での)流涙症
流涙症の原因として考えられるのは、大元の原因となる疾患(角膜炎や結膜炎)や目の外傷から、涙の分泌が量的に増えるということです。
それと、生まれつき鼻が低い猫種の場合、先天的に鼻涙管や涙小管が狭くできていたり詰まったりして、本来のルートでないところから目頭に涙が溢れてきてしまう、というケースがあります。
鼻が低い猫種とは、例えばヒマラヤンとかペルシャ、そして大人気のエキゾチックなどですね。
この場合の治療は、大元の原因が特定されてから行われます。
□結膜炎
瞼の内側や眼球の前面をカバーしている結膜に、炎症が起こるケースです。
ホコリやゴミ、花粉などが目に入って炎症反応が起きてかかったり、ウイルスや細菌に感染してかかったりします。
ドライアイやブドウ膜炎、緑内障などから結膜炎が引き起こされることも、あります。
そうした場合は、その基礎となっている疾患の治療が必要となります。
結膜炎では、どちらかというと両目ともにかかるケースが多いようですね。
□角膜炎
猫の目の病気の代表が、結膜炎と、この角膜炎です。
目の表面をカバーしている角膜に炎症が起きる病気、です。
目が開けにくくなったり、涙が止まらなくなったりします。
結膜炎、角膜炎ともに点眼薬による治療がメインとなります。
長期間これらの病気を放っておくと、最悪失明のリスクもありますので、まずはいち早く獣医さんに診てもらいましょう。
□猫風邪
猫風邪は、主にクラミジアやヘルペスウイルス、カリシウイルスのような病原体から引き起こされます。
一般的な成猫が、この猫風邪で亡くなることは稀です。
でも子猫は重症化することもあるそうですから、要注意ですね。
目やにや涙が、この猫風邪から出てくることがあります。
抗生物質やインターフェロン(注射)などの投薬による治療が、一般的です。
□眼瞼炎
猫の場合あまり聞かない病名ですが、この眼瞼炎も涙を増やす原因となる病気(皮膚病)です。
瞼に症状が出るのですが、結膜炎や角膜炎につながることもあります。
主にインターフェロンや抗生物質、抗真菌薬といった投薬や目薬による治療となります。
□副鼻腔炎
鼻の多くの方の「副鼻腔」の炎症を起こす病気です。
涙の流れるルートがふさがってしまうことで、詰まった方の目から、涙が溢れてくることがあります。
投薬による内科的治療が一般的ですが、症状が重度の場合には外科的なアプローチが必要となることもあります。
□網膜変性症
網膜変性症とは、目の奥の方にある網膜が変性して、視力が低下していく病気です。
だんだんと目が見えにくくなったり、涙が多く出てくるようになったりします。
遺伝性のもの(進行性網膜萎縮症)と、タウリンの不足に起因する網膜萎縮症とがあります。
網膜が一度変性すると、元には戻りません。
栄養の欠乏からくる網膜萎縮症であれば、バランスの良い食餌の摂取により予防したり、進行を遅らせることができます。
流涙症は急になるもの?
うちの子の場合は、流涙症の症状は、急に出てきました。
ただ、元気な状態で引き続き食欲もあり、よく遊びよく寝てという生活でした。
とりあえず、かかりつけの動物病院の先生に診てもらうまでは、目に直接触れないように注意しながら、涙が止まらない方の目の周辺をティッシュで慎重に拭いてあげました。
涙そのものには色はなく、目ヤニと混ざることで、多少薄茶色っぽく見えていました。
元気なんですけど、瞳の回りの異常って、割と健康状態を反映するともいいますから、心配になりますよね?
猫の流涙症 治療は実際どうだったか
流涙症 治療の実際は?
かかりつけの動物病院の先生に診てもらいました。
が、先生からは流涙症という言葉は直接耳にはしませんでした。
目に傷があるわけではないということでしたので、その点は一安心です。
ガーゼで目の周囲を綺麗にしていただきました。
また、その場で目薬を点眼していただき、その日の診療は終了。
治療で使った目薬を処方していただき、帰宅しました。
猫の流涙症 気になる治療費は?
この日の治療費を、ご参考までに記しておきます。
点眼薬と手足の爪切りの手間賃、全体の診察料の合計で、約1,800円ほどでした。
点眼薬は製品名で「ゲンタロール」といい、ゲンタマイシン硫酸塩を含む抗菌薬の点眼液を、いただきました。
ただ、自分のかかりつけの動物病院はとても良心的で、地元でも診察料が安くて助かると評判の病院です。
ですから、ここの診察料はどこの動物病院にも当てはまるかは、正直微妙です。
最低ラインの料金、くらいに参考にしていただければと思います。
猫の流涙症 目薬の効果はあったのか?
動物病院から帰ったあと、夜になってから、処方してもらった点眼薬をウチの子に点眼しました。
結果的には数滴、点眼できましたが、かなり苦戦しました。
そもそも、猫にとっては目薬といえども異物です。
結構、嫌がられてしまいました。
病院では、こうやって後頭部の方から目薬を目に近づけていって、猫を刺激しないように点眼します、とアドバイスをいただいていたのですが。
その後、数日間は数回だけ、点眼することができました。
ですが点眼しようとすると猫が猛反発するので、あいにく処方の通りの回数は点眼できませんでした。
幸いなことに結果的には、1週間ほどで流涙症の症状は完治しました。
今になって思うと、こまめにティッシュペーパーで、涙が出ているのに気づくたびに、まめに拭き取っていたのが良かったと思います。
数滴だけ打てた点眼液が、果たしてウチの子の症状の軽減に役立ったのかどうか、正直なところはっきりしません。
ですが、そもそも流涙症そのものは、特に命に関わることはほとんどありません。
あまり神経質になって「何が何でも点眼しなくっちゃ」とまでは、考える必要はないのでは、と個人的には思いました。
その代わり、こまめに目の周りを優しく拭き取ってあげることで、患部とその周辺を清潔に保ってあげることは、少なくとも必要ですね。
その後の経過ですが、半年間で1度だけ、片目から涙を流していたことがあります。
その時は点眼液も用いず、丁寧に涙とその周辺を拭き取ってあげただけですが、おかげさまで症状は再発せずに現在に至っています。
まとめ
猫の片目だけ涙が止まらないという流涙症についての体験談でした。
治療の感じや目薬についてなど、経緯を紹介しました。
猫の片目だけ涙が流れて溢れてくるので、知らないとびっくりしますよね。
ですが、素人判断で何か対応し始めるのではなく、まずはあなたのかかりつけの動物病院に診察を受けに行くことをおすすめします。
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