夏に疲れ果てることを夏バテと言いますが、体力が若い時と比べて落ちている高齢者にとっては、夏バテに対する注意が特に求められます。
そこでここでは、高齢者の夏バテの予防法や、おすすめの食事や体操を紹介していきます。
親が高齢の場合など、身近にいらっしゃる時にはその方のためにも、ご参考にどうぞ。
夏バテ予防のポイント 高齢者の場合は?
近ごろの日本の夏は、高温多湿の状態が続きやすく、真夏日や熱帯夜を記録することも、珍しくはありません。
夏バテの根本的な原因としては、自律神経系のバランスの崩れ、とされます。
睡眠の不足も、自律神経の失調につながります。
良質な睡眠の確保は、こうした夏バテの解消のカギを握っています。
夏バテを予防、もしくは解消する睡眠の取り方などについてはこちらの記事をご参考にしてみてください。
夏バテは睡眠不足から!解消する睡眠の方法とおすすめグッズ紹介!
また例えば、日中暑い外で活動した先から、エアコンのよく効いた室内に何度も出入りすることで、適切な体温調整ができなくなるようなことも、自律神経の不調の一つの表れです。
夏場のエアコンの上手な使い方を理解しておくことも、冷房病や夏バテの予防となります。
冷房病(クーラー病)についての対策や対応については、以下の記事にまとめましたので、ご参照ください。
冷房病による後頭部の頭痛への対処法!頭痛が出た時の治し方と対策
夏バテ予防の食事 高齢者向けには?
夏バテの結果落ちるのは食欲ですが、夏バテを予防するのも食事によります。
なので、食欲がなくなる夏にこそ栄養をつけて、夏バテを予防しましょう。
高齢者向け夏バテ予防の食べ物は?
ビタミンB1を含む食べ物
特に夏場の食事で意識的にとりたいのは、まずビタミンB1です。
ビタミンB1の効果は糖質の代謝、つまり糖質をスムーズにエネルギーに変える働きをします。
逆にこれが不足することで、疲れやすくなったり、食欲が減退したり、体が重だるくなったりします。
まさに夏バテの症状そのもの、ですね。
ビタミンB1が豊富に含まれている食品としては、豚肉、レバー、穀物の胚芽や豆類、が挙げられます。
豚肉であれば、部位的にはヒレ肉ともも肉が特におすすめです。
一方、日常の食事で効率的にビタミンB1を取るのなら、白米だけでなく玄米やはい芽米、麦飯を取り入れてみるというのも良い方法です。
良質なタンパク質を含む食べ物
ビタミンB1が疲労の回復に良い一方で、エネルギー源になってくれる栄養素が、タンパク質です。
タンパク質で、人間の体内で作ることができない必須アミノ酸がバランスよく含まれているのものを、良質なタンパク質といいます。
その良質なタンパク質を含む食品で、夏バテに効果があるとされるのは、大豆、卵、牛乳、肉(牛、豚、鶏)、魚類といったところ。
ですが、いくらエネルギー源のタンパク質が豊富だからといって、消化の良くない肉類ばかり食べるのは、高齢者の胃腸には負担となりやすいです。
高齢者の方の食事で大切なのは、何よりも「消化が良い」ということです。
お腹を壊さないためにも、消化の良い食品を摂りたいですね。
大豆や卵、チーズや魚類といった、お肉以外で良質なタンパク質を含む食べ物も、積極的に食事に取り入れていきましょう。
梅干しも疲労回復に良い
疲労の回復に特に良いとされるものの一つに、クエン酸を豊富に含む梅干しがあります。
クエン酸がレモンの5〜6倍含まれているという梅干しは、日本人の食生活に昔から普通に馴染んできた健康食品といえます。
例えば食欲が進まないときや、お腹の調子を崩しているときなどでおかゆを食べる場合には、一粒の梅干しも一緒に食べるようにすると毒消しにもなり、おすすめです。
高齢者向け夏バテ予防の飲み物は?
夏バテ予防の飲み物としては、糖分の少ない手作りのドリンクか、常温まで冷ました白湯がおすすめです。
カフェインが含まれ利尿作用のあるコーヒーは、眠りの質に影響することもあるので控えましょう。
夏場で喉が乾く前に、意識的に飲みたいのが、以下に紹介する手作りのドリンクです。
■手作りの夏バテ対策のドリンクのレシピ
□ミネラルウォーター1ℓ
□蜂蜜 大さじ2
※ここでは、カロリー控えめとしました。
□粗塩 小さじ1/2
□レモン 1/2個(絞り汁で)
これらをペットボトルに入れてよくかき混ぜて、こまめに飲みます。
熱中症の予防に関しての水や塩分の摂り方についての記事は、こちらです。
熱中症予防で水と塩の摂り方は?水分の量や飲み物の作り方を紹介!
なお、就寝中の水分不足を避けるのにも、就寝前に白湯を1杯飲んでおきましょう。
冷水では胃腸を刺激しますので、常温の水がおすすめです。
夏バテの予防の体操 高齢者の場合は?
高齢者の方に限らず、これまでの運動歴や環境、趣味は人それぞれですので、体操といっても万人向けのものがあるわけではありません。
ですから、夏バテの予防のために体を動かすことは良い、という一般論はありますが、これでなくてはダメ、という体操が一つだけあるわけではありません。
一人一人が自分にあった体操や運動を無理なく生活の一部に取り入れることで、自律神経の働きを整えたり、眠りにつきやすくなったりして、夏バテの防止につながります。
そんな前提はありますが、世代を問わず誰にでもおすすめできる体操としては、鉄板のラジオ(テレビ)体操・みんなの体操というものがあります。
「みんなの体操」の方も、紹介されてからもうかれこれ20年ほど経ちます。
テンポがゆっくりなので、高齢者にも無理なく筋肉や関節を動かせますし、それによって血流を促し、疲労物質を流していくことができますね。
これらの体操を、できる範囲で気軽に毎日続けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高齢者の場合の夏バテの予防のしかた、おすすめの食事法、体操について、お伝えしました。
最近は、人生100年の時代といわれ始めていますね。
すでに高齢化社会に突入している日本では、65歳以上だからといって一概に高齢とも呼べないくらいに元気な人も多いのが現実です。
夏バテの予防法についても、それぞれ自分にあったやり方があっても良いと思います。
この記事がその一つの参考になれば、幸いです。
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