グルメにとっては一年の最後を締めくくるイベント、そうでない人でも一年の最後の日の食事のイベントが、『年越しそば』ですね。
約6割もの日本人が、何気ないくらいに毎年大晦日にお蕎麦を食しますが、このイベントにはどのような由来があるのでしょうか。
大晦日にお蕎麦を食べるタイミングは、お昼?夕食?はたまた年またぎで?
お雑煮やおせち料理みたいに、ご当地ならではの年越しそばのようなものもあるのでしょうか?
いつも恒例の年末イベントである年越しそばも、こうしたことを知ってみると違う気分で味わえますよ。
年越しそばの由来や意味は?
大晦日の一つのイベントとしてしっかり根付いていると言える年越しそばの風習ですが、そもそもの由来とか意味を考えたことはありますか?
歴史的には古く、江戸時代には年越しそばが文化として定着していました。
私の住む横浜にも、かれこれ優に100年を超える歴史を有するお蕎麦屋さんがあってびっくりするんですけれど、年末の30日や大晦日には何十食と年越しそばの持ち帰りが売れていくそうです。
それも、江戸時代から続くイベントと知ればさもありなんですね。
由来としてはネット上でも色々言われていて、
・金銀細工師が金粉を集めるのに蕎麦がきを用いたことから、金、ひいてはお金を集める『縁起物』として定着した、とする説。
・おそばが細く長いことから、長寿延命の意が込められていて、年またぎで食べることに意味があるとする説。
・おそばが切れやすいという点に注目して、この一年の苦労等を切り離して持ち越さないことに由来する、とする説(この説の考え方では、年越しそばは年内に食べ終わることが前提になっています)。
などなど、各説があって一つにまとまっているわけではありません。
ですがそこはやはり日本で長く続く文化・風習ですから、表現は違ってもそれぞれに深くありがたい意味が込められているんですね。
ちなみにこの年越しそばというイベントですが、うどんで有名な香川県でもそこはうどんよりも蕎麦を食べる人の割合が多いのだそうです(ある調査では、大晦日にお蕎麦を食べる人の割合は、うどんの約2倍だったとか)。
また、有名な沖縄そばを日頃から食べている沖縄の方は、年越しそばとしても沖縄そばを食することが多いと、沖縄生まれ育ちの友人から聞きました。
長い物、そばに似ている物、一種のバリエーション、ということで、焼きそば、うどん、スパゲッティ、春雨といったものを年越しそばとして食べる人もいるそうです。
個人的には、上記のような歴史的由来を知ってしまうと、断然お蕎麦が食べたくなってきますけれど。笑
年越しそばを食べるタイミングは?
大晦日で、年越しそばは何時頃に食べるのが基本なのでしょうか。
実家では、記憶のある限りでは、その名の通り『年越し』に食べてきました(おそらく今回も、そうです)。
厳密に『年またぎ』するわけではありませんが、午後10〜11時くらいに食べることが多いですね。
結論的には、縁起物ですし食べる時間は決まりはないのです。
巷の蕎麦屋さんではお昼に行列しますし、おやつの時間に、または夕食がわりにいただく人と、いろいろです(あまり朝からという人は聞きませんが)。
大晦日という日付の最後で、という制限があるわけではないのですから、お蕎麦は軽食の一つとして、夕飯時は家族ご一緒でゆったりメインディッシュを囲むというスタイルもありですね。
ただ一夜明ければ『一年の計は元旦にあり』の元日なので、より一層豪華な食卓になるようでしたら、食べすぎには注意したいものですね。笑
年越しそばに何入れる?
私は年越しそばといえば、エビ天が普通にのっている温かいそばをイメージしてしまいます。
これも食べる時間と同様にこれといった決まり事があるわけではないのですから、各家庭の好みでいただきます。
具体的には、エビ天、刻みネギ、とろろ、生卵、刻み海苔を適宜乗せたものや、山菜そば風にしたり。
シンプル極まりない、ざるそばや月見そばでいただいたり。
お餅があるお宅では力そばにしたり。
揚げたての天ぷらは別皿にして『天ざる』にしたり。
あと、薬味も取りそろえれば、様々に美味しい年越しそばが楽しめますね。
まとめ
江戸時代の昔からある年越しそばという文化ですが、食べるタイミングや具材に一定の決まりはありません。
そもそも縁起物なのですから、形にとらわれないで年によって熱いおそば、冷たいおそばと変えていただくというのも一興ですね。
新年目前の、日本独特の食習慣である年越しそば。今年も美味しくいただいて、気持ちよく新年を迎えましょう!