昔、きたなシュランという番組で取り上げられたお店が、横浜にあると聞きました。
それも、自分の好きな「焼きそば」がメインのお店だそうです。
これは行ってみなくてはと思い立ち、休日に訪れました。
そこには、昭和の時代にタイムスリップしたかのようなお店と、名物の焼きそばが待っていました。
きたなシュラン横浜の焼きそばがあると聞いて
フジテレビの番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」の中の、きたな美味しい店の紹介コーナーが『とんねるず きたなシュラン&きたなトラン』ですが、実は私自身はその番組を見たことがありません。
ですが、ひょんなことからその番組に出たというお店が横浜にあって、しかも自分の好きな焼きそば店ということを聞いたので、ぜひ行ってみようと。
自分もそうでしたが、一応知らない人のために「きたなシュラン」とは何かといいますと、「汚い」店構えだけど素晴らしい料理を提供する美味しいお店のこと。
もちろん、「綺麗な」美味しいお店が一番ですが、あえて汚いけど美味しいお店に注目してそれを全国区に広めたのは、それこそ素晴らしい着眼点ですよね。
さて、焼きそばということですが、これから紹介するお店は単にきたなシュランというだけでなく、お値段もびっくりの良心価格の設定でした。
店構えがアレでも、シンプルに美味しくて、そのうえ安い、となれば行ってみたくなるものですよね。
ともあれ訪れた、そのお店の肝心な、きたなシュランの「認定証」を撮りそびれたのは、不覚でした(実物は壁に確かにありました)。
横浜の焼きそば店とは磯村屋のことだった
そのお店の名は、「やきそば 磯村屋」さん。
横浜市の南区にあります。
アクセスは、地下鉄阪東橋駅から横浜橋商店街(あるいはそれに並行する通り)を通過して、さらに三吉橋通り商店街を抜けた、どちらかというと喧騒とは無縁の落ち着いた場所にあります。
かつてはこの辺りは労働者の街だったそうですが、今ではベッドタウン的な雰囲気が漂っている、生活者の街という雰囲気でした。
何でも、俳優の浅野忠信さんは子供の時からお店に来ていた、との情報があります。
外観からして、見事なまでに昭和レトロな感じです。
コカコーラの色あせた看板、緑色のひさしと赤い暖簾とのコントラスト、通りすがりの一見さんでは、なかなか入りづらい雰囲気。
水曜日と木曜日が、定休日だそうです。
平日のお昼過ぎの訪問でしたので、客は自分一人。図らずも、貸切状態です。
店内の様子はこのようです。どこをどう取っても、昭和時代にタイムスリップな店内。
シンプルなテーブルと椅子や、店内入ってすぐの左側が厨房、というか鉄板がしつらえてあり、そこで焼きそばを作ったり、おでんが保温されていて、効率的なレイアウトになっています。
お店の切り盛りは、80歳は過ぎているであろうおばあちゃんの女将がやっていました。
あともう一人、お手伝いの女性がいました。
お店自体の歴史は、60有余年もあるそうです。
営業時間は、10:00から17:30まで。ラストオーダーが17:00(持ち帰りは17:15)まで、となってます。
店内の様子などを、あらかじめネットで「予習」していたものの、実際に現地入り(?)してみると、歴史の持つ重みすら感じられます。
横浜のB級グルメとしておすすめ!
それでは、メニューのご紹介を。
簡単かつ明朗なメニューですね。
焼きそばとおでんの2種類のみ、です。
ドリンク類もさほど多くはないようです。
その大きさから、大・中・小の3区分に分かれる焼きそばは、小で何と250円(!)から。
野菜3種のトッピング、1〜3種のトッピングとの組み合わせでオーダーするシステムですね。
この日はおでんの品揃えはありませんでしたが、メニューを見ると「どれでも」1つ85円という、これまた衝撃的な安さではありませんか。
良心的過ぎて、ちょっとというか、かなり心配になってきてしまうようなお値段ですね。
これぞ、お値段以上(?)の焼きそば(と、おでん)ではないでしょうか。
この日は、玉子・ポテトの2種のトッピング、そして大サイズで注文してみました。
出てきたのが、こちら!
パッと見、相当美味しそうです!香ばしい匂いが漂ってきます。
トッピングとして頼んだ玉子は、横手焼きそばのような目玉焼きとして載っているのではなくて、溶いて麺に混ざっているタイプでした。
じゃがいも(オーダーは「ポテト」)は、食べやすい一口サイズになっているのは好印象です。
まさに「横浜のB級グルメ」ですが、さっそく一口いただきました。
麺ですが、どちらかというと「細麺」タイプです。
この麺はしかし、好みのタイプです。ザクザクと、食べられますね。
そして焼きそばのメインの味付けであるソースは、ウスターソースで、全体的にかなり薄味に感じます。
青海苔が全面に振りかけてありましたが、自分の好みです。
薄味と感じる人のためにか、テーブルには追加のソースと、コショウが置いてあります。
玉子とポテトのトッピングは、もともとさっぱり薄味のこの焼きそばを、一層ライトな味わいにしているように感じました。
玉子もポテトも、とてもやさしい味わいで、全体としては焼きそばと十分マッチしています。
「大」サイズでしっかりとレトロな味わいの焼きそばを楽しんで、お代はたったの350円!なんだか申し訳ないくらいの金額でした。
帰ってから思ったのは、これに「クリームソーダ」(300円!)をつけても良かったのではないか、ということ。
それでも合計で650円なり。おそるべし、横浜のB級グルメ!です。
会計が終わり、帰り際に「(ネットでメニューを見ていた)かき氷は、やってないんですか?」と聞いてみました。
ネット上ではあったかき氷のメニューが、店内に貼られていなかったので、少々気になっていたのです。
女将は、「もうちょっと暑くなってきたら、ね」とおっしゃってました。
メニューから消えたわけではないことに、一安心しました。
具体的にいつからかは伺いませんでしたが、7月からでしょうか。
かき氷も、昔ながらの手回しの製氷機で作るようなので、そのシーンもいつか見てみたいですね。
■やきそば 磯村屋(いそむらや)
横浜市南区八幡町4
Tel:045-261-0956
最寄駅/横浜市営地下鉄ブルーライン阪東橋駅
営業時間/10:00~17:30(L.O.店内飲食17:00、持帰り17:15)
定休日:水曜・木曜(念のためご確認を)
まとめ
昭和レトロなお店の佇まいそのものに、味わいも深い焼きそばを美味しくいただきました。
焼きそばのボリューム感としては、普通の男性基準ですと、大盛りサイズでないと少々物足りないかもしれません。ご参考までに。
次の機会があれば、おでんやかき氷もぜひ、食してみたいです。
いつまでもおばあちゃんにはお元気で、この磯村屋さんを続けていっていただきたいですね。ごちそうさまでした!