毎年2月といえば、花粉症がいよいよ本格化してくる月ですね。
2月は立春です。まだまだ寒くて重ね着をする月(衣更着)といいますが、その寒い中でも花粉は飛び始めます。
あらかじめ概ねの花粉情報を知っておくことで、症状の緩和にも役立ちます。
2月に良くある花粉症の種類とその対策、そして風邪との違いについて、紹介します。
2月に見られる花粉症の種類は?
2月から本格的に花粉の飛散の始まる地域は多く、木本では『ハンノキ属(カバノキ科)』、『スギ』、『ヒノキ科』、草本では『イネ科』が2月から飛散時期に入ります。
特に関東地方では、上記の4種全てが飛び始め、スギは3ヶ月間ほど続くピーク時期の、初めの1ヶ月となります。
季節を問わず1年中多くの種類の花粉が飛散しますので、特に関東地方にお住いの方は、2月の花粉の飛散開始を見込んで早めに花粉対策を取っておきましょう。
スギは、飛散距離も風媒花ゆえに200〜300キロメートルと長く、日本の花粉症の最も多い原因の花粉です。
【スギ花粉の症状】としては、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみの4大症状のほか、咳など喉の症状や皮膚のかゆみも発生することがあります。
重症化しているケースでは、スギ花粉が飛んでいる様子を見ただけで、ノーシーボ効果によって花粉症の症状が発症することも、あります。
スギ花粉症の患者はその約7割がヒノキ科の花粉のアレルゲンにも発症することといわれます。
そうなると、かれこれ長いと4ヶ月間ほども花粉症の症状に悩まされるケースも出てきます。
【ヒノキ科の花粉の症状】としては、スギ花粉と同様で、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみの4大症状が主な症状です。
【ハンノキ花粉】については、全国的に生えている落葉樹ですが、花粉の飛散時期がスギと被る(4大症状も同じ)ため、それほど話題になってきませんでした。
ですが、スギ花粉に比して咳が強く出るのが特徴です。
ハンノキによる咳が重症化するとハンノキ喘息となりますので、スギ花粉と思い込まずに咳が強い場合は医療機関にかかる方が無難です。
ハンノキ花粉症の特徴は、咳が強いこと以外にもあります。
それは、ハンノキ花粉症の2〜3割の人が持つ可能性があるという、口腔アレルギー症候群(OAS)です。
OASは、唇や口腔粘膜に痛みや痒み、または腫れの症状などが現れます。
じんましんなどの皮膚症状や気管支喘息の症状、アナフィラキシーショックの症状が現れることもあります。
ハンノキ花粉症の方は、一部の果物や野菜の摂取に注意が必要となります(後述)。
【イネ科の花粉症】の症状も、すぐ花粉症と同じで、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、そして目のかゆみ・充血です。
2月に見られる花粉症の対策とは?
基本的には、スギ花粉症の対策と、他の花粉による花粉症症状の対策は同じです。
すなわち、
・花粉の飛散量が多い日にはなるべく外出を避ける。
・外出時にはマスクやメガネ(ゴーグル)、帽子を着用する(頭髪には多くの花粉が付着します)。
・花粉がつきにくい素材の服を着用する。
・屋内に入る際には玄関先で帽子、衣服についた花粉をしっかりと振り落とす。
・外出から帰ったら、手洗いとうがいを励行する。
・洗濯物は基本、室内干しとする。
・洗濯物を屋外に干した場合には、十分に花粉をはたき落としてから屋内に取り込む。
・加湿機能付き空気清浄機を使用する。
・掃除機をまめにかけて、花粉を取り込む。
こういった点に注意して、花粉を避けていきましょう。
【ハンノキ花粉症の方】の注意事項
ハンノキ花粉症によるOASは上記の通りですが、その予防対策としては原因となる食物は避けることです。
以下のような食物を避けましょう。
・バラ科:(例)りんご、桃、梨、さくらんぼ、苺
・ウリ科:(例)スイカ、メロン
・その他:ジャガイモ、ごぼう、山芋、トマト、人参、セロリ、アボカド、オレンジ、キウイ、マンゴー、大豆(豆乳も)、ヘーゼルナッツ
こうしてみると割とポピュラーな食物ばかりなので、日頃からチェックしておきましょう。
2月に見られる花粉症と風邪との違い
花粉症と風邪の諸症状はよく似ていて、素人判断するのは好ましくありませんが、一般的な差異は以下の通りです。
【くしゃみ】花粉症:連続して頻回に出る。風邪:出ることはあるが、続けては出ない。
【鼻水】花粉症:サラサラして水っぽい鼻水。風邪:粘り気のある鼻水に変化する。
【鼻詰まり】花粉症:重症化しやすい。両方詰まることもある。風邪:両方詰まることは通常ない。
【目のかゆみ】花粉症:あり。風邪:なし。
以上に加えて、花粉症では症状は花粉の飛散時期に出るので、アレルゲンによっては数ヶ月間症状が継続することがあるのに対し、風邪では数日内には症状は軽快してしまう、という違いもあります。
何れにしても、症状が複雑でどちらなのか判別しづらい時には、専門医のいる医療機関の判断を仰ぎましょう。
まとめ
以上、2月に見られる花粉症の種類とその予防対策、そして風邪との違いについてご紹介しました。
花粉症と一口に言っても、いろいろな花粉が原因となりえます。
花粉の飛散する時期の前から、適切で十分な予防対策を取っていきましょう。
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