1月という真冬にも、花粉症の症状が既に現れてしまうケースがあります。
スギやヒノキにしては、ピークまでにはまだ季節的に早い気がするし、また頭痛がするのも花粉症のためなのか、はっきりとしない。
1月における花粉症への対策も含めて、こうした疑問についての参考となることをご紹介します。
1月に見られる花粉症の原因は?
冬本番の1月だからといって、花粉が飛ばないというわけではありません。
日本列島は南北に長いため、花粉症の原因となる花粉の種類や飛散時期についてもさまざまです。
春とは異なりこの時期に飛散しやすい花粉としては、ハンノキの花粉があります。
カバノキ科のハンノキは、北海道以外の、東北、関東、東海、関西、九州までの広い範囲で、毎年1月以降5、6月あたりまで花粉が飛散します。
つまり、スギやヒノキ科の一部と同様、1月からハンノキ花粉症が発症し得るのです。
実は花粉症のピーク時期は量、種類ともに5月に迎えるのですが、早くもハンノキについては1月から始まってくるというわけです。
ハンノキ花粉症の見落とせない点は、OAS(口腔アレルギー症候群)を合併して発症する可能性があることです。
OASは、リンゴや桃、人参等のある特定の果物や野菜を食べることにより発症する症状です。
当該食物の摂取後15分以内に全身または局所に症状が出るもので、全身としてはじんましん等の皮膚の症状、気管支喘息、アナフィラキシーショック、局所的には唇や喉などの口腔粘膜に痛みやかゆみ、イガイガ感、腫脹が認められます。
OASについてはそれを惹起する原因の食物をよく把握し、それを避けることが必要です。
特異的IgE検査を受けてアレルゲンを特定することで、投与する薬物や関係する食物の回避が可能となるので、当該症状が出るようでしたら速やかに医療機関の判断を仰ぎましょう。
スギやヒノキの花粉についても、1月はピークではないということであって、例えば関東や関西ではスギやヒノキの花粉も飛び始める時期にあたりますので、注意が必要です。
花粉症で1月に頭痛が出る?
ときとして出ます。花粉症そのものの症状としてではありませんが、花粉症から副鼻腔炎を起こし、その結果頭痛が出ることがあります。
花粉症の治療が長引き、鼻の穴の奥で炎症が続き粘膜が腫れると、副鼻腔で膿や分泌物が溜まってしまい、それが慢性化して頭痛が出るとされています。
こうした頭痛が出た場合に焦って頭痛薬を飲んでも、一時的な効果に止まったり、根本的に改善しなかったりします。
副鼻腔炎への対応は、専門の耳鼻咽喉科の医師に相談するようにしましょう。
なお、花粉時期に頭痛が出た場合にも、通常の風邪による頭痛という可能性もあります。
市販の頭痛薬を飲んでも効かない場合、花粉が飛散しない(あるいは飛散が少ない)日でも頭痛がひどいような場合はウイルス感染の可能性も考えられるので、そういった場合には医療機関にかかるようにしましょう。
1月に見られる花粉症の対策とは?
1月に見られる花粉症の対策としては、ハンノキ花粉を中心に、スギやヒノキの花粉にも留意することが大切です。
具体的には、【花粉症対策ポイント】として、
・インターネットやテレビ等の花粉情報を有効に活用し、花粉の飛散時期や樹木・草木の種類を把握し、近づかないようにする。
・風が強く飛散量が増す日には、外出をなるべく控える。
・外出するなら帽子やマスク、メガネ、そして花粉がつきにくい素材のコート等で、花粉の体への直接の付着、侵入を防ぐ。
・帰宅時には玄関先で花粉をよく振り払う。
・うがいや手洗いをしっかりとし、シャワーや洗顔、着替えにより花粉を体から落とす。
・洗濯物を外干ししない。
・湿度を上げるため、加湿機能付き空気清浄機を利用する。
といった対策を取るようにします。
これらとは別に、ハンノキ花粉症の方は、OASを惹起する特定の果物や野菜の摂取を避けなければなりません。
まとめ
1月に見られる花粉症の原因には、ハンノキやスギ、ヒノキの花粉が関係することがあります。
花粉症の症状が長引きひどくなると、それが関係して頭痛につながるケースもありますので注意が必要です。
1月の花粉症への対策は、基本的な花粉症対策の原則の通りですが、ハンノキ花粉症のケースでは、これに加えてOAS対策として、特定の果物や野菜の摂取を避けることになります。