毎年10月、11月から翌年1月頃にかけては、ノロウイルスの話題が出てきます。
新型のノロウイルスは通常、感染してから1日2日程度で吐き気や嘔吐、下痢や発熱等の症状が現れます。
感染経路としては、感染者の便とか嘔吐物に触れた手指や食べ物を通して感染したり、空気感染の事例も報告があります。
家庭や特養など、集団生活の場で感染者が出ると二次感染の防止が急がれます。
ネット上でも話題になっているヤクルト製品が、このノロウイルスの予防に効くのか?特別養護老人ホーム(特養)では、どのような対策がなされる(べき)か?食べ物では何か気をつけるべきことがあるのか?といった個別の話題について、それぞれ調べてみました。
ノロウイルス対策でヤクルトは効果的?
ヤクルト製品に入っている成分が、このノロウイルスに効果的ということを、あなたも聞いたことがありませんか?
数年前ですが、順天堂大学大学院医学研究科のチームが、感染性胃腸炎の発熱の症状に乳酸菌飲料が緩和効果をもたらすことを確認しています。
ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(LcS)を含む発酵乳が効く、といいます。
まさにプロバイオティクスを摂ることが、免疫力が低い高齢者の集団生活の場で、ノロウイルス等の感染性胃腸炎の有効な防御手段となる、と報告されているのです。
これ、一般的には「L.カゼイ・シロタ株」と言われるヤクルト菌のことですよね。
乳酸菌飲料の有名メーカー『ヤクルト本社』の製品である、ヤクルト、ジョア、ソフール、ピュアラ、プレティオといった製品には、L.カゼイ・シロタ株がそれらの主要な成分として表示されていますね。
特に私自身が数年にわたって飲用してきたヤクルト400には、製品あたり400億個の同株が含まれているそう。
あくまで私個人の体験、主観なのですが、ヤクルト400を毎日飲用していた数年間は体の調子が良く、少なくともノロウイルスに感染せず、インフルエンザや風邪にもかからず健康に過ごせたのは、主にこのLcSさんのおかげではないかと感じています。
あまり一製品の宣伝みたいになってしまうのは本意ではないのですが。笑
宅配専用の商品であるヤクルト400を届けてくれていたヤクルトレディの方のお話しですと、ヤクルトのあの甘さや冷やして届けられることにもちゃんと理由があって、菌が生きてる状態で届けられるのに必要だから、ということでした(その人のお話です)。
ここで、話を順天堂大学大学院のLcS発酵乳の効果研究のところまで戻しますと、介護老人保健施設に入所している高齢者をLcS発酵乳飲用群と非飲用群とに分けて継続して調査したそうです。
すると、ノロウイルス感染性胃腸炎の発症率には大差なかったそうですが、37度以上の発熱の症状があった日数について、飲用群の方が有意に短縮されたそうなんです。
LcSの継続的な飲用は、低下したナチュラルキラー(NK)細胞の活性化にも有効だそうで、このことが発熱症状の緩和に繋がっているものと考えられています。
NK細胞は、ウイルス感染細胞の拒絶に重要な役割を担うとされています。
ノロウィルス 特養での対策は?
特別養護老人ホーム(特養)は、社会福祉法人や自治体などによって公的に運営され、病気や障がいなどによって介護を必要とする65歳以上の方または、特定疾病により介護を必要とする40~64歳までの方で、要介護度3以上の方が入居対象です。
特別養護老人ホームでは、ノロウイルスについてどのような対策がなされるのでしょうか?集団的生活の対応の一例として調べてみました。
特養は、一般的に抵抗力・免疫力が高くない高齢の方々が集団で過ごす施設、といえます。
こうした場所においては、特にノロウイルスの予防や二次感染の防止策がしっかりしていることが求められますね。
特養においても、基本的な予防法に一般的な対策と変わるところはありません。
ノロウイルス対策として、一般的にも共通する、
・外出後や食事の前に手洗いやうがいを励行すること(手洗いは石鹸を使用)
・乾燥は禁忌
といった対策と、特養のような施設ならではの、
・次亜塩素酸ナトリウムを使用して、手すり・ドア・ベッド、洗面台周囲や壁等の入所者が触れる機会が多い箇所を消毒すること
・ノロウィルス対策用のオムツ交換セットの使用の徹底
などがあります。
高齢者は感染症に対してのさまざまなリスクがあるから、とされます。
なお、特養でノロウイルスが発生した場合には、事故報告のマニュアルに従い、速やかに都道府県や保険者に事故報告を行う義務があります。
ノロウィルス対策で食べ物はどうする?
どのような食品がノロウイルスの感染につながるのでしょうか。
ノロウイルスを直接に食品から検出することは難しく、原因の特定にもつながりにくいそうです。
普段から、調理時には食べ物の加熱に気を遣うようにしましょう。
カキなどの二枚貝の食べ物でノロウイルスになる方もいるようです。
調理時に首から上には触れず、石鹸と流水で手洗いをちゃんとした方法で行い、食べ物は十分加熱することでノロウイルスの感染予防につながります。
ノロウイルス等の食中毒防止のための適切な手洗い
まとめ
ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(LcS)を含む発酵乳、例えばヤクルト製品のうちのヤクルト、ジョア、ソフール、ピュアラ、プレティオといった
LcSを主成分とする製品は、免疫力を高め、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の発熱の症状に緩和効果をもたらすそうです。
甘さは気になるかもしれませんが、日頃から飲用の習慣を身につけておくとノロウイルス対策の一つにはなりそうですね。
個人的には、ヤクルト400を数年間飲用した印象は良かったですよ。笑
特養では、免疫力の低い高齢者のかたも多いために、有効な予防法の一つといえます。
ノロウイルス対策として『どんな食べ物は良くない』と事実上言えない以上、口にする前によく手洗いをしっかり行い、なるべく一旦火の通った食物を口にする習慣をつけることで、ノロウイルスの流行する期間を乗り切りましょう!